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風邪には抗生物質?

 今日2月18日は二十四節季の雨水です。雪や氷が解けて水になる、つまりそれだけ暖かくなるということでしょうが、実際は寒気の影響で東北地方はまだまだ冬ですね。それでも最近は日が長くなって、春は着実に近づいていると実感できます。
 今回は風邪と抗生物質のお話をしたいと思います。
今現在インフルエンザはだいぶ下火になりましたが、一方で下痢や嘔吐を症状とする胃腸炎が流行しています。その他いわゆる風邪が多いのですが、受診される皆様から抗生物質の処方を求められることが多々あります。抗生物質はとても強力で、風邪もいっぺんで治ってしまう、そんなイメージがあるのかもしれません。しかし是非覚えておいていただきたいのですが、抗生物質は細菌(ばい菌)をやっつける薬であって、ウイルスには全く効果がありません。病原性を持つ細菌には、たとえば大腸菌、ブドウ球菌、連鎖球菌などがあり、ウイルスの代表はインフルエンザ、麻疹(はしか)、ムンプス(おたふくかぜ)、ヘルペスなどが挙げられます。そしてここが大切な点ですが、風邪のほとんど(9割近く)はウイルス(ライノウイルス、RSウイルスなど)が原因で起こります。従って、風邪に対して抗生物質を飲んでも、効果は全く期待できないということになります。もちろん風邪をこじらせて、二次的に細菌感染が起こることがあって、そのような場合(数日間続く高熱、黄色や緑色の痰)には抗生物質を使用することがあります。しかしいわゆる風邪(急性上気道炎)に最初から抗生物質を処方することはしません。むやみに抗生物質を使用することは耐性菌という、抗生物質が効かない細菌を作り出すことにもつながり、我々人類の未来にとって良いことは一つもありません。耐性菌がはびこる世界で最初に犠牲になるのは体力の衰えたお年寄りと子供たちです。そのような未来を避けるためにも、抗生物質の乱用は控えることが大切です。
 風邪を引いてしまったら、昔から言われていることですが、暖かくして安静にし、水分と消化の良い食べ物を摂ること。それが一番の早道です。風邪に抗生物質は不要です。