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やる気が無くなり次第終了

 8月です。例年になく暑い夏で、今日も35度近くまで気温が上がる予報です。危惧されるのは熱中症。先日も屋外で作業していた若い男性がフラフラになって駆け込んできました。手がプルプルと震えて、支えられないと満足に歩けない状態でした。聞けば、昼食後はあまり水分を摂取していなかったとのこと。若いひとでもこんな感じですから、高齢者はもっと簡単に脱水に陥ります。冗談抜きに命取りです。こまめに水分補給をすることが何より大切です。「こまめに」というのが良くわからんとクレームが寄せられますが、概ね1時間に1回、コップ一杯程度の量が適切です。それから、「冷たいものはなかなか用意できない。」という意見も現場から寄せられますが、別に冷たいものでなくても良いのです。要するに水分補給が大切であって、常温のスポーツドリンクでも何でも構わない。むしろあまり冷たいものばかりだと胃腸の調子を崩してしまい、それが脱水、熱中症の引き金になったりします。
 この時期は食欲が落ちてしまい、ご飯に冷茶でもかけて、さらっと一杯でお終いといったケースが散見されますが、これも危ない。我々は食事からけっこうな量の水分を摂取しています。食事量が少ないと、とたんに水分不足になりかねない。朝食が大切で、是非おみそ汁を飲むようにしましょう。真夏は塩分制限のことをあまり気にしなくても良いと思います。たくさん汗をかく重労働の人は、昼食にラーメンなどの麺類もお勧めです。塩辛いスープは脱水予防のために役立つかもしれません。

 さて、今回のエッセイはそのラーメンについてのお話です。以前もちらっと書きましたが、「スープが無くなり次第終了」というやつにカチンとくるのです。某紙今月号に掲載予定のエッセイですが、ホームページに先行掲載です。


 麺類が好きなので、どこそこに美味しいラーメン屋があると聞くと一度は訪ねてみたいとおもう。しかしホームページなどで営業時間を調べてみると、ほぼ例外なく「スープが無くなり次第終了」とあり、これを見るといつもカチンときて行く気が失せてしまう。自分の店は人気店であり、こだわりのスープはそれ程簡単に作れるものではないことをアピールしたいのかもしれないが、天邪鬼の小生としては、自分の店に毎日大体何人くらいの客が訪れるかも把握できず、用意すべきスープの量を見誤るような店主が作るラーメンは食べなくてもよいとおもってしまうのだ。武将北条氏康は、あるとき息子の氏政が飯にかける汁を継ぎ足したのを見て、毎日食べる飯にかける汁の量すら見積もれない氏政に呆れ、北条家も最早此処までと言ったとか。まあ少し大げさとおもわれる向きもあるだろうが、飲食というサービス業において本当のプロならば、わざわざ訪れてくれた客をスープが無いからといって断ることを良しとはしないはず。少なくても次からはスープを少し多めに作るよう努力するのが筋ではないかとおもう。
 というわけで最近はほとんどラーメンを食べに出かけることがない。それにはもう一つ理由があって、どこで食べてもほぼ例外なくしょっぱすぎるか、はたまた脂っこすぎて、食後に必ずお腹の調子を崩すからである。そこで最近は専ら女房に御願いしてラーメンを作ってもらっている。もちろん麺は既製品を利用するが、チャーシューは自家製。スープの出汁も煮干や鰹節を使用して引いている。最近厚く削った鰹節を一晩水出しにすると、あの独特な酸味が際立つことに女房が気付き、暖かいお蕎麦やうどんにも重宝している。
 それにつけても「スープが無くなり次第営業終了」は羨ましい話だ。かねがね一度でよいからぼくもやってみたいとおもっている。玄関に大きく貼り出すのだ。「診療は院長のやる気が無くなり次第終了します」とね。