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冬に気をつけたい病気:高血圧

 血圧ほど皆さんが良くご存知の医療用語はおそらく無いでしょう。血圧が異常に高くなる病気を高血圧と呼び、東北地方には患者さんが多いこともご存知の方が多いと思います。一方で大寒を迎えるこれからの季節、高血圧が原因で心臓病や脳梗塞が増えることはそれほど知られていません。今回は冬に気をつけたい血圧管理についてのお話です。
 まず冬に注意したい一番大切なことは防寒、保温対策です。暖かい室内から寒い室外へ外出する際には特に注意が必要です。十分な防寒、保温対策がなされていないと、急激な温度差が引き金となって血管が収縮し、瞬間的に著しい高血圧になりかねません。この瞬間的な高血圧をきっかけにして脳出血、脳梗塞や狭心症、心筋梗塞を発症することが多いのです。この時期の外出には厚めのコートを着用する他、マフラー、手袋、帽子がお勧めです。またマスクの着用は直接冷気を吸い込まないためにも有効ですので、インフルエンザ予防目的も兼ねて、外出時には必ずマスクをする習慣を身に着けましょう。注意すべきは外出時に限りません。日本家屋は居間と寝室は暖かいことが多いのですが、それらを繋ぐ廊下やトイレの暖房がおろそかにされている場合が多いのです。夜間用を足しに起きた際、寒いトイレで発作を起こすというのもよくあるエピソードです。不況の時代にあって暖房費用の節約も大切ですが、廊下、トイレの暖房費はケチらないようにしたいものです。
 もう一つ冬に注意したいこと、それは塩分の過剰摂取です。高血圧に塩の摂り過ぎが良くないことは皆さんよくご存知と思います。冬の料理には塩辛いもの(鍋物、お煮しめ、漬物、数の子、筋子などなど)が多く、油断すると塩分過剰になりがちです。蒲鉾や竹輪、はんぺん、さつま揚げといった魚肉練り製品、ソーセージにも思った以上に塩分が含まれています。寒い夜、おでんをつまみに熱燗といった光景は絵になりますが、高血圧にとっては最も避けたい状況なのです。
 最後に冬の運動についてお話します。寒いからといって自宅に篭り、コタツに当たりながら朝から晩までテレビを見るといった生活はお勧めできません。みかんや煎餅などの間食も手伝ってすぐに体重が増加します。肥満は高血圧の温床ですので、寒いこの季節でも積極的に運動を心がけ、体重管理をしたいものです。冬の運動は防寒対策をしっかりとしてから、十分な準備運動と共に始めましょう。一日のうちで最も寒い明け方や深夜は避けて、天気の良い日中を利用しましょう。十分な水分補給と汗をかいたらすぐに着替えることも忘れずに。