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適量というのは難しい

 早いもので今年も残すところ一か月になりました。師走はクリスマスや忘年会などで会食の機会が多くなり、食事量、飲酒量いずれも増えてしまいがちです。食べ過ぎ、飲みすぎは肥満を助長し、糖尿病、脂質異常症、高血圧いずれをも悪化させます。この時期を無難に過ごすことが大切ですが、なかなか難しいものです。完璧にコントロールできる人はいませんし、あまり窮屈に考えると息詰まります。ゆったり構えて療養を継続してください。

 以下は某新聞に寄せたエッセイです。

 四半世紀前に学生時代を過ごした昭和終盤の弘前は、「みちのくの小京都」と言えば趣深いが、二十歳そこそこの若者にとっては「陸の孤島」であった。
 携帯電話もなく、音楽もカセットテープが主流の時代、楽しみと言えば友たちとの飲み会だった。とりあえずビールで始まり、当時流行ったバーボンウイスキーのボトルを何本も開け、まじめな議論から浮いた話まで、空が白み始めても尚、本当に良く語り明かした。
 今でも時に懐かしさに負けて当時愛飲していたバーボンを試してみるのだが、何とも薬臭くて飲めた代物ではない。ウイスキーの味そのものよりも、あの時の空気や友たちとの連帯感が特別なスパイスになっていたようだ。
 それつけてもよく飲んだ。下宿への帰り道、自転車で側溝に突っ込み、そのまま朝まで寝込んでしまったことなど、今から思えば背筋が凍るようなことには枚挙に暇がない。
 就職してからは当然のことながら翌日のことを気にしながら控え目に飲むようになった。それでも時として二日酔いになるのだから、本当に幾つになっても上手な酒の飲み方は出来ないものだ。
 こんな風に思うのは僕だけかしらと思っていたら、ある時、はたと案を打って納得する記述に出逢った。曰く、「酒とは飲んでいる最中は常に飲み足りず、飲み終わった時には必ず飲みすぎているものである。」けだし名言かな。
 最近は何を飲むかよりも、どんな料理がお酒に合うかの方に興味が移り、時々厨房に出入りしている。如何に簡単で美味しく、短時間に用意できるかがポイントだ。
 玉葱のみじん切りを黙々と続けていると、いつの間にか娘が隣に立って、ぽつぽつと語り始めたりするのもまた楽しい。さて今日は何を作ろうか。良いサーモンが手に入ったので、今晩はこれにパン粉、粉チーズとハーブをかけてオーブンで焼こう。良く冷えたシャルドネが合いそうだ。