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禁煙治療→再開のお知らせ

 お待たせいたしました。禁煙補助薬であるチャンピックスの供給が安定しましたので、新規の禁煙治療を再開いたします。

 17年前のある夏の夜、私は青森県のとある病院で当直業務に就いていました。時計はもう少しで日付が変わるという頃、夜間診療も一段落して医局に戻った時に長男の誕生を知りました。少し困った問題を抱えた妊娠だったが故に、母子共に元気との知らせに安堵し、セブンスターに火を点けて深く紫煙を吸いこみました。このときの一服ほど美味しかったタバコは記憶にありません。これからは夫としてだけでなく、親としても家族を支えていかなければならないとの思いを新たにしたことを覚えています。その時本当に突然、タバコを休もうと思い至りました。タバコ臭い手で息子の世話をしたくないと思いましたし、タバコを誤飲する子供たちのことも知っていましたから。そこで日付が変わるまでの数分間に、あと二本だけ吸って、その後はきっぱりと喫煙をお休みしました。
 タバコを止めるには、このケースのように何かきっかけがあると良いと思います。それは結婚でも、子供の誕生でも、あるいは引っ越しでも良いのです。とにかく何かを機としてきっぱりとお休みすることが禁煙成功の秘訣です。時々タバコを少しずつ減らしているとお話になる患者さんがいらっしゃいますが、このフェードアウト法(一日1本ずつ減らしていく等)は残念ながらあまりうまくいきません。無意識に1本を大切に吸おうと思ってしまい、1本の煙草を根元まで吸ってしまうことが多いのです。その結果、ニコチン依存からは簡単に抜け出せないわけです。止めるなら一気に止めることがコツです。
 止めたいのにどうしても止められないという場合はニコチン依存症として治療が必要です。現在はチャンピックスというお薬を用いることで5割強の喫煙者が禁煙に成功しています。しかしこの10月からタバコの値上がりを機に禁煙希望者が殺到し、このお薬が全国的に供給不足となっています。その影響で、現在新規の患者さまに対する処方ができない状況にあることをお断りしなければなりません。供給が安定次第、またご案内いたしますので、今しばらくお待ちください。
 タバコは種々の疾患の原因、あるいは悪化要因になることは間違いなく、医学的には喫煙が許されることはありません。しかし喫煙は成人に対して認められている行為で、違法ではありません。個人がそのリスクを十分に知った上で、自分の判断で吸うことは問題無いのです。個人的にはタバコを吸う人がまるで悪人のように言われる現在は、少し行き過ぎのようにも思っています。ただし他人に対しても害を及ぼす可能性があることは常に配慮すべき問題で、屋内での喫煙はきちんと管理された喫煙室でのみ行われるべきだと思います。マナーを守り、他人に迷惑をかけないことが大人、社会人の条件でしょう。

 お知らせ:現在禁煙補助薬チャンピックスの供給不足により、新規の禁煙治療をお断りしています。現時点で再開に関しては未定ですが、再開のめどが立ち次第お知らせいたしますので、今しばらくお待ちください。現在治療中の患者さまに関しては今のところお薬が確保されていますのでご安心ください。
 追記(10月15日):販売元であるファイザー製薬からの連絡によりますと、現時点では遅くとも来年1月からは新規の患者さまへの治療を開始できる供給体制を整えられる予定とのことです。