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熊野観心十界曼荼羅

 仙台市は最終的に29日間の雨という大記録を打ち立てて8月を終えました。今日から9月ですが、今朝は相変わらずの曇り空で、なかなかすっきりとした秋空は拝めないようです。夏野菜の高値も漸く落ち着いてきたようですが、今度はお米が心配です。でもどうやら大丈夫のようで、現時点で作況指数は「やや良」だそうです。稲の実りには出穂期の温度が大切なんだそうで、今年は7月がけっこう暑かったので、事なきを得たようです。今から20年ほど前、記録的なお米の不作で国産米が市場に行き渡らず、急きょ輸入された海外産米(長粒種)を食べた時の驚き(パサパサであまり美味しくなかった)は未だによく覚えています。今回はそのような事態に陥ることはなさそうでホッとしています。なんといっても、炊き立ての新米は美味しくて、秋のたのしみですから。

 今年の夏休みを利用して、世界遺産にも登録されている熊野古道を訪ねました。熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)を巡り、色々と学んできました。熊野信仰の歴史は古く、平安時代には上皇や貴族が相次いで参詣し、その後は一般人もたくさん集まって、その様子が「蟻の熊野詣」と呼ばれたほどでした。この信仰の要は「死後の世界」、特に地獄を強調して、人々を勧進したことにあると思います。「地獄絵」というのは種々あるのですが、熊野では「熊野観心十界曼荼羅」が有名で、この曼荼羅には我々人が生まれて年を取り、やがて老い、死を迎えたのちに経験する様々な裁きと地獄が詳細に書き込まれており、圧巻です。「十界」とは地獄、餓鬼、畜生、阿修羅、人、天の六道(迷界)と、声聞、縁覚、菩薩、仏の四聖の世界を言います。凡人はこの六道を延々と輪廻するわけですが、誰だって行きたくないのは「地獄」ですよね。この曼荼羅にはその「地獄」の様相が詳しく書かれています。地獄には大きく分けて八つあり、等活地獄、黒縄地獄、衆合地獄、叫喚地獄、大叫喚地獄、焦熱地獄、大焦熱地獄そして一番罪の重い極悪人が落ちる地獄が阿鼻地獄です。そしてこの阿鼻地獄の容積が最も大きいとか。つまり我々のかなりが、この阿鼻地獄に落ちるということでしょうか。いやはや、参りました。自分はこのまま怠惰に生活を続けると、どの地獄に落ちるのかと、時々自問自答してみるのも大切ではないでしょうか。
 この曼荼羅に関しては、絵解きの本や解説がたくさん出版されているので、興味のある方は是非一読をお勧めします。