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「国民の休日」

 どんよりとした雲に覆われ、スッキリとしない天気が続きます。予報では来週はずっと曇りあるいは一時雨の仙台です。雨の少ない梅雨と思っていたら、今度はなかなか明けない梅雨です。日照不足がそろそろ気になり始めますね。


 蓮舫さんの民進党代表辞任に引き続き、稲田防衛大臣の辞任がニュースになっています。政治の世界もスッキリ晴れとはいかないようで、今後雷雨の予想でしょうか。


 今回は「国民の休日」をテーマに一筆書いてみました。


 先日「海の日」を利用して東京へ出かけ、国会議事堂(衆議院)を見学してきた。大理石がふんだんに使用された建物には歴史が醸し出す風格があって、衆議院本会議場には凛とした空気が漂う。建物はかくも立派なのに、その中で繰り広げられる昨今の政治ドラマはなんと低俗なことかとため息をついた。まあ、今回のテーマは政治ではないので愚痴はこの程度にしよう。

 最近「祝日」がやけに増えたなと思って調べてみたら、昨年から制定された8月の「山の日」を加えて、現在「国民の祝日」は年間16日あることがわかった。それでは、そもそも「国民の祝日」とは何ぞやと更に調べると、「国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)」というものがある。その第1条に、自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日を定め、これを「国民の祝日」と名付ける、とある。法律って奴は実にくどくてわかりにくい文章で、こんな文章ばかりを書いたり読んだりする立法府、法曹界の人たちはたいへんお気の毒だ。それにつけても「美しい国、日本」という、どこかで聞いたことのあるフレーズを思い出したが、まあいいか。続く第2条で「元日」「成人の日」「建国記念の日」「春分の日」「昭和の日」「憲法記念日」「みどりの日」「こどもの日」「海の日」「山の日」「敬老の日」「秋分の日」「体育の日」「文化の日」「勤労感謝の日」そして「天皇誕生日」、合計16日間を定めている。おもしろいのは、「建国記念の日」だけが、「政令で定める日」とされていることだ。建国記念の日となる日を定める政令(昭和41年政令第376号)というものがあって、それにより2月11日とされているのだが、何ゆえこの日だけ特別に政令によって定められているのか。この日は神武天皇の即位した日ということだが、神武天皇のあたりになると日本書紀、神話のレベルであり根拠に乏しいから政令で定める必要があるのだろうか。そもそも「政令」とは何か皆さんお分かりであろうか。ぼくは良く知らないので、ご存知の向きにはぜひご教授願いたい。ところで、第3条で「国民の祝日」は、休日とするとわざわざ謳ってあり、なるほど、「国民の祝日」と「休日」は同義ではないのだね。そうだとすると、必ずしも「休日」ではない「国民の祝日」あるいは「国民の祝日」ではない「休日」というのもありうるのだろうか。そういえば以前、5月4日を「国民の休日」としていた時期があったね。

 ぼくと相棒の結婚記念日は10月10日。ぼくらの結婚記念日が未来永劫ずっと休日で、あたかも全国民が祝ってくれるようでいいよねと話し合って決めたのだが、まさか数年後にこの日が「体育の日」でなくなるとは想いもよらなかった。俗に言われる「ハッピーマンデー制度(国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律 平成10年法律第141号)」のためで、その後「成人の日」「海の日」「敬老の日」と「山の日」が固定日ではなく、第2ないし第3月曜日に設定されたのであった。土日を休みとする企業が増えてきたことを踏まえ、月曜日を休みにして3連休を楽しんでもらおうということなのだろうが、働きすぎニッポン人へのご褒美というより、経済戦争でわが国に負け続けた米国が逆切れして付けてきた難癖に応じた結果という穿った見方も可能だ。考えてみれば、かようなまでに休みを増やし、時短に取り組んできたニッポンの経済が停滞するというか低成長に陥るのはむしろ当然の帰着であって、それは衰退ではなく成熟、老成と言うべきなのだとおもう。企業戦士として土日の返上は当たり前、いやそれどころかリゲインを飲みつつ24時間働くビジネスマンという、バブル時代、ジャパンアズナンバーワン時代のロールモデルが化石と化した現代日本にあって、かつてのような経済成長はもう無理だし、望むべきことでもないようにおもう。「仕事」が「日々の生活」と同義で、多くの人にとって「誇り」であり「生きがい」でもあった時代はもはや過ぎ去り、今は「仕事」が日常生活から離れた「余暇」を楽しむためのお金を得る、単なる手段となった時代である。今更もう昔には戻れないし、戻る必要も無い。今まで散々働き蟻だの守銭奴と揶揄されたのだから、これからはたくさんの休日を利用して海や山で優雅に時間を過ごす、ゆったり、ゆるゆる日本人を目指せばよいのではないか。GDPが世界第3位だって4位だって、いやトップテンから落ちたっていいじゃないか、心底そうおもう。休日を過ごすためにも資金が必要だと反論が聞こえてきそうだが、大規模テーマパークや海外旅行を思い浮かべるからそういう反論になる。日本には昔から美しい里山、湖沼、海岸があって、そこで日がな一日過ごせば、心身ともにリラックスできるし、お金もかからない。運動量が増えてメタボ対策にだってなるだろう。手付かずの自然に感動し、あるいは地場産の農畜産物の美味さに感動して帰農する若者が増えるかもしれない。のどかな環境で子供を育てたいと都会から移住を決断する若夫婦だってきっと増える。東京オリンピック用の箱物や「日本橋」の景観対策で首都高速道路を地下化すること等に莫大なお金をかけるより、全国各地の国立公園、国定公園を始めとして、遊歩道や自転車道あるいはキャンプ場やフィールドアスレチック施設などの整備を進めたほうがずっと良い気がするが、如何であろうか。

 さて、しげしげとカレンダーを眺めていたら、6月だけは今のところ「国民の祝日」がない。ここは奮発して、ぜひ6月にも新しい「国民の祝日」を設定して頂きたいと願う。山、海とくればやはり川ということで、「川の日」あるいは「水の日」は如何であろうか。はたまたジューンブライドにかけて「花嫁の日」というのも、非婚化晩婚化の進むわが国にあって良いかもしれない。相棒の誕生日が6月なので、第2月曜日にぜひぜひ祝日を作って欲しいと願う次第である。